今までのフルコンタクト空手界にない、まったく新しい切り口として一般社団法人全日本フルコンタクト空手コミッション（JKC）がスタートした。選手たちの目標となる仕組み作り、そしてフルコンタクト空手界の活性化や認知向上を目的とした取り組みの詳細を酒井代表に聞いてみた。
ーーJKCをスタートさせる事となった経緯を教えて下さい
現在、フルコンタクト空手界はどこの団体も少年部が中心で、中学から高校、高校から大学へ進学するにつれフルコン人口が減少傾向にあります。特に大学生は、一番稽古がしやすい環境にあるにも関わらず、競技人口が極端に少ないのが現状です。そこで、大学生になってもフルコンタクト空手を続けてもらう為の目標は何かと考えた時に、この様な仕組み作りを考えました。
ーーその目標のひとつがインカレの開催ですね
そうです。大学生のフルコン人口を増やすには、インカレ（全日本学生選手権大会）の開催は外せないと思いました。そこで、インカレを開催しているUNIVAS（一般社団法人大学スポーツ協会）に準加盟し、インカレの開催ができることになりました。
ーーUNIVASへの準加盟とはスゴイことですね？
そうなんです。その為に、「JKJO」「武神」「統一世界武道空手道連盟」「IKA 国際空手協会」の4つの組織が力を合わせて、大きな塊となってUNIVAS準加盟を目指しました。その結果、1年掛けてUNIVASの加盟競技団体として準加盟させていただきました。UNIVASのホームページに、加盟競技団体として堂々と名前が刻まれていますから（笑）。JKCは加盟組織を募集していますので、興味のある先生はご連絡下さい。
ーーインカレの開催は決まっていますか？
UNIVASに準加盟できましたので、「全日本学生フルコンタクト空手道選手権大会」を2022年には開催致します。その準備を現在進めているところです。大学生及び専門学校生が参加できる、フルコン界では初となる公的に認められた大会となりますのでご注目下さい。
ーーUNIVASに準加盟した事による他のメリットを教えて下さい
UNIVASは、約200の大学と36の競技団体を統括する、大学スポーツ全体を統括する組織です。学生向けの様々なセミナーや就職斡旋も行っています。もちろん、大会で良い成績を収めた選手へのスポーツ推薦や、大学生への就職支援も行うことが可能となります。
ーー今までのフルコン界にはなかった活動ですね
UNIVAS以外にも、全国でスポーツ人材の就職支援サービス事業を行っている，スポーツキャリアに特化した日本で唯一の上場企業「株式会社スポーツフィールド」と業務提携、また、スポーツ庁が委託事業で行っている「スポーツキャリアサポートコンソーシアム」にも加盟致しました。
ーー大学への推薦や就職支援も可能ということですか？
はい、現在、東京大学の名誉教授や大阪経済大学理事の先生がJKCの顧問に就任していただきました。それにより、各大学のスポーツ関連の先生方から信用が得られ、全国の著名な先生方に顧問になっていただけるよう働きかけています。少し時間が掛かると思いますが、全国に様々なパイプが広がり、大学へのスポーツ推薦（フルコン推薦）ができるよう目指していきたいと思っています。
ーー今回の仕組みは大学生がキーワードだったんですね
そうです。大学生のフルコンタクト人口が増えることにより、ジュニア選手たちに目標を明確に示すことができるようになり、フルコンタクト空手を長く続けてもらうきっかけとなります。また、大学生人口が増える事により、いずれ指導者も増え、支部も増えることにより、フルコンタクト空手人口の増加に繋がっていきます。
ーーその他の活動を教えて下さい
頑張った選手の輝ける舞台として、アワードの様な年間表彰式も開催していきます。JKCの顧問となっている議員の先生や、著名人をお呼びして大々的に開催する事により、フルコンタクト空手の認知向上や価値観を上げていく事に繋がって行くものと考えています。
ーーJKJOの代表に就任された時にも同じ様な事を言われていた気がします…
そうです。昨年9月に私がJKJOの代表に就任した際に掲げた「3つのビジョン」の一つです。ステータス性の向上として、アワードや大学への推薦、就職の斡旋などを1年前に掲げていました。1年越しにようやくカタチとなりました。めちゃめちゃ頑張りました（笑）。
ーー今後、インカレ以外の大会も開催しますか？
今の所、JKC主催の大会は考えていません。一般の大会は「JFKO」がありますので、JKCは大学生に特化したインカレを成功させます。
ーー最後にメッセージをお願いします
宮地会長をはじめ、JKC理事の皆様方と団結し、1年掛けてカタチにしました。これからもJKCは、選手のことを一番に考え、加盟道場の先生方や保護者の皆様方にご賛同いただける組織を目指します。今回の発表は第一弾！そして第二弾、第三弾と、皆様方に報告できる事をご期待ください。押忍。
