男子1部軽量級 決勝戦
○三井所 太陽(福岡医療専門学校)vs 髙澤 登太(スポーツ健康医療専門学校)●
2024JKJO全日本軽中量級準優勝の三井所太陽が初優勝!
出場できるのは大学/専門学校の在学中のみ。毎年、決勝の顔ぶれが変わるのは当然だが、第3回大会男子1部決勝には、これまでに比べ新たな実力者たちが台頭してきた。その象徴的な階級となったのが軽量級だ。ファイナリストとして上がってきたのは、9月のJKJO全日本大会軽中量級で準優勝の三井所太陽。そして、2022年JKJO全日本軽中量級3位の髙澤登太だった。試合レベルは一般の試合と比べても高いものだった。一撃渾身の強打を信条とする三井所は長い蹴りで間合いを取り、接近戦では打撃音が伝わるほどの強打を放つ。髙澤は内股への下段蹴りで相手のバランスを奪い、下段蹴り、膝蹴りへとつなげていった。気迫と冷静さ、ダメージと手数とも互角だ。勝負がついたかに思えたのはラスト15秒だった。三井所の突きの連打に髙澤が膝蹴りの反撃を試みるが、相手の威力に十分な間合いが取れない。判定は3-0で三井所。見事、インカレ初優勝を決めた。
男子1部中量級 決勝戦
○千田 隼人(近畿大学)vs 下瀬 風磨(宝塚大学)●
極真館2023世界王者・千田隼人と白蓮会館WKO世界大会代表・下瀬風磨が決戦!
男子1部中量級の決勝戦は、まさに”世界級”の顔合わせとなった。極真館世界王者の千田の言葉を借りれば、「大学時代にしか獲れないインカレのタイトルは、最高に価値あるもの」。その証に、下瀬も白蓮会館WKO世界大会が終わって一週間。まだダメージが残る身体でこのインカレに出場してきた。世界を知る者同士による1部中量級の決勝は、互いの手の内を探るようにして始まった。技の強さが加速してきたのは開始30秒当たりだろうか? 千田の左右の下段廻し蹴りが下瀬の脚を強く打ち据えると、下瀬は中段膝蹴りを返していく。ラスト1分当たりから千田が下瀬を軸にステップを使いながら回り、時折、間合いを作って下段、中段回し蹴りの強打を叩き込み、中段膝蹴りの連打で強襲する。下瀬も中段膝蹴りで応戦するが流れを取り戻すことはできなかった。判定は4-0、千田が初優勝を決めた。
男子1部重量級 決勝
○河合 透吾(北海商科大学)vs 浦 丈史(香川大学)●
第1回インカレ男子1部重量級王者の河合透吾が念願の2度目の優勝!
第1回インカレ男子1部重量級で優勝した河合透吾と、新極真会全四国大会第3位の浦 丈史が対戦した決勝戦。第1回インカレ優勝後、「大学在学中は4連覇!」を宣言していた河合が、昨年、まさかの3位に留まり、今年はなんとしても勝ちたいところ。対する浦はインカレは昨年に続いて今年で2回目の出場。入賞はいまだなく、今回は初の決勝戦だ。試合は、両者接近戦の中、河合が浦を軸にステップを使いなら左へと回り、巧みに突き分けながら崩していく。浦は中段膝蹴りで流れを変えようとするが、今度は河合が間合いを作り強烈な下段廻し蹴りだ。最後は両者、突きの連打で勝負に出るが、ここでも河合が一歩リードし、ついに2年ぶり、2度目のインカレ優勝を決めた。試合後、河合は「口に出してもしかたないが、やはり昨年を落としてインカレ連覇を逃したのが悔やまれる。ここからは、優勝は誰にも譲らない」と語った。
女子1部軽量級 決勝
○岡田 葵(愛知教育大学)vs 金城 杏奈(沖縄国際大学)●
岡田葵がインカレ3連覇!「来春、小学校教員になっても、このスピリットを大切に!」
今や“インカレ・クイーン”とも言える存在になった岡田葵がついに3連覇を達成した。岡田はこの1年、就職活動、卒業制作、さらにはインカレ学生連盟会長と大忙し。少ない稽古時間に集中し、このインカレで有終の美を飾るべく頑張ってきた。決勝の相手は昨年同様、金城杏奈。極真連合会第5回世界大会女子軽量級準優勝者としての実力を持つが、第1回インカレ準決勝での対戦以降、岡田の前に苦杯をなめてきた。岡田の3連覇か? 金城の初優勝か? 試合前から緊張はピークに達した。試合開始とともに、金城は岡田を軸に左右のステップを踏みながら突きの連打を放つ。岡田は身体を回転させながらこれを突きで迎撃。運動量は金城が上だが、圧力は岡田が上だ。金城が下段蹴りで崩しにかかると、岡田は上段横蹴りで金城の顔面を脅かし優勢を印象付ける。途中、金城が押しによる注意1を受けたこともあり、本戦判定3-0で岡田が優勝。インカレ史上初、唯一無二の3連覇を決めた。
女子1部重量級 決勝
○小林 由依菜(名古屋リゾート&スポーツ専門学校)vs 本田 志帆(神奈川大学)●
昨年と同じ顔合わせの決勝をリベンジで制し、小林由依菜が初優勝!
今年、JKJO全日本女子重量級女王となった小林由依菜としては、インカレ優勝は絶対に落とせないところ。そして、決勝の相手は昨年同じインカレ決勝で対戦し、小林に確かな差をつけて優勝を果たした本田志帆だった。本田としても、今年のJKJO全日本で3位に泣いているだけに負けられない一戦となった。直突きで前にでる小林に対して、本田は昨年同様、ステップを使いながら左右に回り込み、突きと下段廻し蹴りで小林を崩しにかかる。手数とアグレッシブポイントはイーブン。圧力は小林、組手の巧みさは本田か。中盤の本田の顔面殴打の注意1、勝ちにはやる小林にも抱え込みの注意1が。終盤、小林の突きによる前進が優位となったか、判定は4-0。小林が念願のインカレ初優勝を決めた。